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創建800年の歴史をもつ禅寺で、静かに坐禅を組んでみる。
その体験が気ぜわしい日常を変えてしまうかもしれない。

剣禅一如という言葉がある。宮本武蔵の師ともいわれる臨済宗僧侶・沢庵和尚の言葉で、生死に向き合う剣の境地と禅の無念無想とは究極のところで一致するという意味だ。命のやりとりをする極限状態で、平静でいることは難しいだろう。しかし、その場面で、なお揺るぎない自己を保つことができるとしたら、その生はどれほど強く、平安に満ちたものになることか。おそらく、熾烈な競争にさらされる現代のビジネスマンたちが坐禅に向かう理由もこのあたりにあるのだろう。横浜は金沢文庫にある東光禅寺では、近年ブームのようになっているこうした坐禅会を40年も前から続けている。若き副住職は、京都・建仁寺と鎌倉・建長寺で臨済宗の修行を積んだ人。もともと国際貢献を志し、オランダ国立社会科学大学院大学を修了したのちJICA(国際協力機構)の関連団体で途上国における開発援助の活動に従事した経験をもつ変わり種だ。アメリカやドイツ、フランスでは禅が盛んで、東光禅寺でも外国人の参禅者が多く、英語で禅を教えると喜ばれるという。むろん日本人のわれわれが訪れて臆することはない。寺という言葉には、サンスクリット語で命を光り輝かせるところという意味があるという。まさにそうした生の輝きこそ、現代の激しい変化に倦み疲れたわれわれの求めるものなのだから。

白山 東光禅寺

横浜市金沢区釜利谷南 2-40-8
TEL:045-781-0271
http://www.tokozenji.or.jp/

凛としたたたずまいが美しい剣道。
幕末の舞台となった横浜で、所作にこだわる大人の剣道を始めてみる。

剣道と聞いて人が思い浮かべるのは、おそらく竹刀や面、銅といった道具であることが多いだろう。それとともに、茶道や華道といった日本の伝統につながる様式美を感じ、かすかな憧憬を抱く人も多いのではないだろうか。茶道において茶を点てるふるまいと、竹刀をもって立つ剣士のたたずまいには、張りつめた精神性において、たしかに似たものがある。憧憬を抱きながらも、実際に剣道をやってみたことのある人は少ないだろうが、ここ横浜ならば、その思いは叶うかもしれない。尊皇攘夷の舞台となり、また開港して日本の表玄関となった土地柄のゆえか、横浜は剣道場が多く、その剣は開明的でありながら、しかも強い。たとえば日ノ出町にある「秀武館敬心道場」では、星野敬子七段が館長をつとめ、女性らしいたおやかさで初心者を指導しているのだが、この星野七段は「お通杯」と 呼ばれる宮本武蔵を顕彰した女子剣道大会において2年連続優勝している練達の剣士なのである。道場では50歳や60歳になって剣道を始めた人も多く、そうした初心者も数年のうちに有段者に育てていくという。学生のような試合結果至上主義ではない、大人の剣道をゆっくりと始められる場所。それが横浜の剣道場なのだ。

秀武館敬心道場

横浜市中区日ノ出町 2-164-1
TEL:045-231-2339
http://shuubukan06.webcrow.jp/