≪Vol.3 横浜の歴史はここに始まる? 古くて新しい野毛を探訪します。≫

野毛桜木町の駅を降りたらあなたはどちらに向かいますか? 左(海)側に向かえば近未来都市のみなとみらい地区、そして右に折れれば野毛エリアです。明治5年、新橋〜横浜間に日本で初めて鉄道が開通したときの、その横浜駅は現在の桜木町駅でした。つまり、野毛はその駅前に開けた街で、いわば横浜市の原点ともいえる土地なのです。戦後は闇市から盛り場へと様相をかえ、みなと側の開発に遅れを取った感もありましたが、かえってそれがレトロな味わいとなり、古い町並みや雰囲気を愛して新しい店が次々誕生してきています。そんな野毛の今昔を訪ねてみましょう。

立ち飲み文化の継承?  ≪ITALIAN BAR BASIL イタリアン バル バジル≫

オープンしたのは昨年5月。野毛一年生の新顔ながら取材中もひっきりなしに立ち寄る人たちはすでに長年の常連さんのように、店のスタッフたちともおしゃべりしながらワインを軽く飲んで、じゃ、またね、とたいそうリラックスした様子です。
「2度、3度来られる方もいらっしゃいます」とオーナーの奥山雄さん。といっても、週に2、3回という意味ではありません。1日に(!)、という意味。イタリアならどんな小さな町にも必ずあるバールは、カウンターでコーヒーやワインが気軽に飲めて、簡単なおつまみもある、という店のスタイル。

BASIL
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バールといえば新しそうではあるけれど、もともと日本には酒屋の店先で日本酒をコップ酒でぐいと飲む、立ち飲み文化があったわけで、野毛にもそういう店がたくさんあったとか。さらに、野毛はハシゴして回る人が多いそうで、この店で1杯飲んでから次に行き、また仕上げに戻ってくる、というような人がいるという意味なんです。 グラスワインは日替わりで10種類前後。料理は、オリーブやタコのマリネ、カプレーゼ、パルマ産の生ハム、などのイタリアンの定番おつまみから、ピザ、パスタ、グラタンのしっかりお腹にたまるものまで。そして、ワインも料理もどれも500円(一部600円)とワンコインというところが、ますます気軽度アップなんですね。



☆ ITALIAN BAR BASIL イタリアン バル バジル

中区野毛町2−81
営業時間 14:00〜翌01:30(LO) 年中無休
電話 045-231-5535
前菜の3種盛り900円(1種類だと500円)
ワインはどれもグラス500円

★このページを印刷してお持ちいただいた方には
グラスワイン、生ビール、サングリアのいずれか1杯をサービス!
(有効期限:4月末まで)

カレー研究の究極はフレッシュなスパイス使い  ≪KIKUYA キクヤ≫

飲み屋さんが集まる野毛の中心部から少し離れた坂の途中に、打ちっぱなしのコンクリートに植え込みのグリーンが爽やかな、まるでケーキ屋かカフェのような店があります。それが、カリーのキクヤ。オーナーの吉井由昌さん曰く「カリー(カレーじゃないところがすでにこだわりです)にハマったのは小学生のときから」だそうで、ひたすら食べ歩いて、研究を重ね、次第に自分のスタイルが固まっていったそうです。そして念願の自分の店をオープンしたのが4年前。でもすぐに、昼時には行列の絶えない人気店となりました。

KIKUYA
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オススメの「カリーシチュー」は、ベースとなる鶏スープを取るのに1日、ルーに1日、そして丸1日寝かせて味を引き出すので、計3日かかっています。それだけに、とろみのないスープ状ながら、しっかりとボディのある味わいで、また15種類は入れているというスパイスのフレッシュな香りとあいまって、見事なコンビネーションです。具には、げんこつほどの大きなハンバーグが。これがまた箸でほぐれるようにやわらかく、ボリュームもたっぷり。どのメニューにもサラダとスープが付きますが、サラダのドレッシングがフレンチとしょうゆの2種類用意され、もちろん自家製。スープもたっぷりの野菜のエキスがつまったコンソメで、こういう脇役まで手抜きをしないところにオーナーの姿勢がうかがわれます。お値段の良心的なことにもびっくりです。



☆ KIKUYA キクヤ

中区野毛町4-173 天悦ビル101
営業時間 11:00〜20:30(LO) 日曜休み
電話  045-231-0806
野菜とハンバーグのカリーシチュー980円
(全品野菜スープ、ポテトと野菜のサラダ付き)

泡盛を片手に、野毛のうんちくに耳を傾けよう  ≪野毛通信社≫

戦後の闇市から昭和30年代までたいそう賑わったといわれる野毛ですが、往時の様子をそのままに残す貴重な店です。建物は昭和25年にオープンした当時のまま。S字にゆるくカーブしたカウンター、レンガの足台、壁面は全面がすりガラスでおおわれ、かつての日活映画の酒場か、最近の流行でいえば映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のイメージでしょうか。やはり創業当時から、という今にも壊れそうなスピーカーからはスタンダードジャズが静かに流れています。そんなたたずまいも魅力ですが、オーナーの親川久仁子さんがカウンターの向こうから、問わず語りに話してくれる野毛の話には思わず惹きこまれます。

野毛通信社

オーナーの親川久仁子さん

野毛通信社 野毛通信社

野毛情報が満載の冊子の数々!

子供時代を野毛の最盛期に過ごし、20代からはヨーロッパで長く暮らした体験から、現在の野毛の魅力と問題点がいろいろ見えてくるのだそうです。いわく「野毛には横浜の精神のエキスがあるのよ」。一瞬面食らいましたが、国籍も年齢も思想信条も関係なく、受け入れるのが野毛らしさ。いちはやく外国に開けて外国の文化をすんなりと自分たちのものとしたハマの開明性に通じているのだとか。野毛通信社という変わった店名も、そんな野毛の文化を広く知ってもらおうと野毛新聞と野毛通信という冊子を発行しているところから。でも、れっきとしたバーです。親川さんの祖母が沖縄出身なので、大きなかめに入った泡盛とゴーヤや豆腐ようなどの沖縄の味が楽しめますよ。念のため。


野毛通信社(旧バラ荘波之上)

中区野毛町1-12
営業時間 17:00〜24:00(LO) 無休
電話045-241-9069
入場料1000円 泡盛700円 泡盛カクテル700円〜など
社員証2000円を購入すると入場料が不要に。

★このページを印刷してお持ちいただいた方には
上記入場料半額(500円)に! (有効期限:無期限)